
精密微小ネジ
エムワン精工では、医療、流体制御、半導体、食品、通信、など、様々な分野で活用が見込まれるアプリケーションとして、Ø1以下のハイリード精密微少位置決めネジを開発いたしました。開発は平成24年度ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金の認定を得て進められ、M1.0、ピッチ0.25-0.125、1-3条の精密微小送りネジの開発、およびデジタル光学顕微鏡による検証を行いました。

アプリケーション
医療用途/研究開発用途の可動式微小コンタクトプローブ
上記はネジの回転によって挿入深度を制御できる医療用途/研究開発用途の微小コンタクトプローブです。先端径0.08mm、ネジ部は径M1.0、ピッチ0.125の多条となっています。こうした医療/研究開発用部品の他、各種産業装置用の微小アクチュエーターなどの位置決め用アプリケーション、流体制御などの微小制御用アプリケーションをはじめ、様々な分野への応用、仕様のカスタマイズが可能です。
精密微小ネジの優位性
高精度微小ネジには、以下の優位性が考えられます。
- 精密な微小位置決めネジとして、アクチュエータや流体制御などに活用できる。
- ボールネジはボールが循環する構造上どうしてもナットが大きくなり、設置スペースが大きくなってしまう。したがってネジにすることで、ボールネジでは達成できないさらなる集積化/小型化の要求に応えることが可能である。
- ボールネジよりもコスト的負担が小さい。
- 多条化/ハイリード化により、高い速度の動作が可能である。
- 上記とは反対に、ピッチ設定により、微細でなければならない動作にも対応できる。
- リニアのように立ち上がりから停止までの速度変化が大きくなく、比較的定速での動作が可能である。
- リニアとは異なり、回転を伴うので物体の移動に適している。
- 送りネジだけでなく、ウォームギヤ機構を利用した微少減速機としても活用できる。
- 従来のラックアンドピニオンでは1ピッチが大きく、モジュールが0.1だったとしてもピッチ0.314に相当する。ネジに置き換えることで、これとは比べものにならないほど細かな動作制御が可能となる。
- ラックアンドピニオンでは、ギヤの当たりに逃げが必要であるが、ネジではベタ当たりなので、ネジに置き換えることで従来よりも格段に高い精度の制御が可能となる。
国際見本市への出展
エムワン精工では、2014年11月12-14日にドイツのメッセデュッセルドルフで開催される国際医療機器技術・部品展「COMPAMED」に出展いたしました。この展示会では、M1.0、ピッチ0.25の多条ネジを活用した先端径0.1mm以下の医療用コンタクトプローブ(探針)、送りネジ/位置決めネジのカッタウェイモデル、コアピン、パンチピン等を展示し、義肢、ポンプモーター、眼科系医療器具、バルブ、脳波分析など、様々な分野のお客様から多数の商談をいただきました。
開発には下記の国が交付する補助金を活用しています。
平成24年度ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金
「微小精密送りネジおよび生産設備の開発」