
特殊治具・精密ゲージ
エムワン精工では、高い精度が要求される特殊な治工具、測定治具、精密ゲージを自動車、工作機械、半導体関連のお客様向けに製造しています。
製品事例は多岐に及びますが、ここでは当社独自の発想によって製品の測定時間を劇的に短縮させることに成功した事例を紹介します。
1. 難易度の高い位相関係の測定

左のピニオンギアは一端に渦形状を伴うねじ切りが、他端に直線的なギア形状の溝切りがあり、両サイドのギアの位置関係(位相関係)が厳密に指定されていました。
このような位相関係の測定には3次元測定器を使用しますが、クランプの調整とデータの入力を合わせると1個あたりの測定は約1時間ほども要します。
2. 測定治具への固定

当社が開発した測定治具では、まず左のように2点の鋼球をギヤの溝に噛ませることよってピニオンギヤの一端を支持/固定します。
他端のギアは右のように、内側にギア溝を切った金属片をピニオンの溝に差し込みます。
両端を治具に固定した状態です。
次に、金属片の上面にセットしたピックテスターを水平に滑らせて、面上の異なる箇所に移動しても針が振れないことを確認します。
当社の開発した測定治具は、点を面に置き換えることでズレ量を増幅させ、誤差の把握を容易にします。これによって素早く、容易に、かつ正確に位相関係を測定することが可能になります。



3. 効果と今後の可能性

この測定治具を使うと通常1本あたり約1時ほども要する位相関係の確認作業が約5分ほど(1/10以下)で完了します。
またこれまでは正しい位置関係を把握するまで加工機械の設定を変更できず、数時間もの間、機械を遊ばせなければなりませんでしたが、測定時間の大幅な短縮により機械の稼働時間が増え、現場全体の生産性も向上しました。
4. その他の治具

エムワン精工では、上記以外にも同芯度を確認するための特殊治具、NC用特殊治具など、用途を問わず様々な治工具や測定治具等を製作しています。
お客様の社外ブレインとして様々な問題を解決するためのアイデアやノウハウを提供し、生産性の向上に寄与できる治具を製作します。製品の加工だけでなく、加工や検品の際に必要となる二次的なアイテムについてもご相談ください。