ネジ研磨/送りネジ/位置決めネジ/ラッピング(ラップ加工):精密部品のエムワン精工(大田区/蒲田)
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雄ネジ/雌ネジの双方にラッピング加工を施す高精度ネジ研磨加工

ネジ研磨

エムワン精工では、いわゆる一般産業用の汎用ネジではなく、極めて高精度の特殊ネジ研磨加工を得意としています。当社の製品は自動車、工作機械、半導体製造装置、航空機、学術研究など様々な分野で利用され、特に量産の前段階で必要となる極めて高精度の原型や試作品等において高い評価をいただいております。また近年ではアクチュエーターといった精密位置決め装置でも活用されています。

ここでは半導体製造装置に使用される送りネジを例としてご紹介します。


送りネジ


半導体製造装置に使われる送りネジの役割について

当社の送りねじは、1秒間に数回~数十回もの高速上下運動を繰り返す、半導体製造装置の中枢部品の一部として使われています。

左図のように、駆動装置から伝達される回転運動をねじ切りによって縦方向の運動に変換します。



バックラッシュ


ネジのバックラッシュについて

この送りネジでは、バックラッシュを極力抑えながらも潤滑油が浸透できる程度の極限のクリアランスを確保することが求められています。

バックラッシュとは、回転時に隣り合った部品間に生じる隙間のことで(左図)、狭すぎると部品同士が噛み合って動くことができず、逆に広すぎると意図した精度が得られないばかりか、衝撃による摩耗や耐久性も低下をもたらします。


多条ネジ


多条ネジについて

また当社がこの半導体製造装置のために製作している送りねじは、四条ネジとなっています。以下に通常のネジ(一条ネジ)と多条ネジの違いを説明します。

通常のネジは一条ネジと呼ばれ、1本のネジに一つのネジ溝が切ってあります。これが二条ネジになると、左図のように、1本のネジに二つのネジ溝が切ってあるものを言います。三条ネジなら三本、四条ネジなら四本です。

左図のように、一条ネジ(上の図)も二条ネジ(下の図)もピッチ(ねじ山の間隔)は全く同じですが、条数が2倍の二条ネジでは1回転に進む距離(リード)が2倍になります。逆にリードを長くせずに条数を増やしたい場合は、一条ネジの1/2のピッチで作れば良いわけです。

エムワン精工で製造している四条ネジは、1本のネジに四つのネジ溝が切ってあり、1回転で進む距離が一条ネジの4倍です。少量の回転で、素早く、大きな上下運動をすることができます。

一般に、ネジは条数が多ければ多いほど加工難易度が高くなります。当社が手がける四条ネジは、条数が大きいだけでなく、バックラッシュを最小にしたネジですので、非常に高い嵌合精度が要求されます。


ラッピング加工


ラッピング加工について

この送りネジ(雄ネジ)は、ネジ研削盤で研削した後に、ラッピングという仕上げの研磨を行います。ラッピングとは、ラップ粉(ラップ剤)によって表面の微細なデコボコを摺り合わせる作業です。左図のように、油でといたラップ粉をラップリングと呼ばれる部材に塗布し、送りネジとラップリングを摺り合わせます。

エムワン精工では、送りネジ(雄ネジ)だけでなく、送りネジに組み合わせて使う雌ネジも製作しています。雌ネジのラッピングは、ラップ粉をラップバーに塗布し、雌ネジとラップバーを摺り合わせて行います。

ラッピングは光学レンズの仕上げなどでも用いられる技術で、手作業で行われます。このラッピングという作業も職人の腕を要し、この技術を持たない他社が容易に真似できるものではありません。


不完全山の除去


ネジの不完全山の除去について

さらにエムワン精工では、ネジの切り始めにあるネジ山(不完全山)にも製品に配慮した処置をしています。通常はネジの切り始めのネジ山が鋭角になっている部分をやすりで丸める程度ですが、当社では左の写真のように、ネジ山の端部を斜めにカットして完全に除去しています。

雌ネジ内部に傷がつけば精度的に致命的であると同時に、組み付け作業者の怪我の原因にもなります。不完全山の除去はそういったリスクへの配慮です。エムワン精工では、こうした加工をお客様からの要望によって実施しているのではなく、当社の自主的な配慮として実施しています。


匠の腕による微調整


半導体製造装置が高速で動作する際に送りネジのスムーズさが重要になります。これには、製品の仕上げには数値で表せない職人の手による感覚が重要になります。この点に関してはお客様との間で相互に理解があり、一定の指標にしたがって製作し、時には「もう少し軽く動くように」といった調整の依頼を受けることもあります。

近年、世間一般的には、職人の手による加工よりも機械加工の方がはるかに精度の高いものを効率よく生産できると考えられがちです。しかし実際には、既にメディアでも取り上げられるように、その日の温度や手の感触を頼りに仕事をする熟練工の方が自動機械による加工よりも高い精度を達成できるのです。


【コラム】 滑りネジとボールネジ


一般に送りネジには、主に滑りネジとボールネジが使われます。それぞれにメリットとデメリットがありますが、以下に主な違いを記載します。

滑りネジ ボールネジ
起動トルク 必要な起動トルクがボールネジよりも大きく、容量の大きなモーターを必要とする。 必要な起動トルクが滑りネジよりも小さく、容量の小さなモーターで済む。
動作速度 ボールネジほど高速向きではない。 高速向き。
精度の持続性 雄ネジと雌ネジが面と面で接することにより使用に伴って当たりが出てくるため、初期の精度を比較的長期間、安定して得ることができる。 雄ネジと雌ネジが点と点で接するため、摩耗による精度誤差を生じやすく、初期の精度を持続的に得ることが難しい。場合によっては初期の加工と後期の加工で精度にばらつきが生じる可能性もある。
設置スペース ボール機構を使わないため省スペースである。 雌ネジにボールを循環させる機構があるため、滑りネジよりも大きな設置スペースを要する。
潤滑グリース ボールネジほど頻繁な注入は不要。(メンテナンスフリーではない) 雌ネジへの頻繁な注入が必要。
供給の安定性 需給状況に左右されにくく、安定した供給が可能。 需給状況に左右されやすく、場合によっては供給が対応できない状況になる場合もある。
規格外品の対応 規格外品の少量生産に対応しやすい。 量産ベースの生産が中心で、規格外品の調達は容易ではない。

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